牛肉の流通から思うこと
2011-07-23


けっきょく、今日の段階では、沖縄以外の全国にセシウム汚染された牛肉が流通することが分かったようだ。

飼料の稲藁からの内部被曝ということで、なぜ稲藁が危ないと知らせなかったのかとか言われている。しかし、時系列をさかのぼると、それは当然おこるべくしておこったことが分かる。

屋外の稲藁が汚染されているということは、その地域に放射能が降ったことだし、ということはそれだけの空気中への放出があったことになる。311以来、危険な放出はないと言い続けてきた当事者たちは、分かっていても稲藁の危険性を指摘することはできなかったはずだから、これは100%人災である。事故ではなく事件だ。

わが国は、ひょっとしたら健康に住めない国になったかもしれない。私らはいい。どうせ放射能汚染の渦中にいても、それによる健康被害の前に寿命が尽きる。牛肉はほとんど食わないし。

しかし、わが子やその子どもたちはそうはいかない。私の弟の子どもたちが海外に根を張っているのが急に羨ましくなってしまったりする。

一人づつの患者さんの命に、こちらの生活やときに命をすり減らすまでもして対応している私の同業者の、こういう真摯な心意気は、じつは、じつに、空回りだったのか。

ほんと、情けない。
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