20年前にそこに住んでたら…
2011-06-06


いまマスコミで報道されている以上に福島県やその周辺、さらには首都圏の状況はおそらく悪いのではないだろうか。首相が福島県のある地域に20年は人は住めないと喚いたとされたことがあったが、それはおそらくあの首相の頭の悪さ、守秘のできなさが漏らした本音だろうね。自分はこの汚染のデータを知っていてつい言ってしまった。民衆のパニックを恐れたと政府高官たちは言うが、なあに、パニクってたのは彼ら。で、みんなアホな自分と同じレベルだと思うから隠したんだな、きっと。

私の仕事では、守秘はもちろん、真実をどのように伝えるかということをずっと教育され考えて行動せざるをえないので、多くの医療者はきわめて高度な判断力を持っている(はずだと信じたい…)。だから、ウソついたり、変に隠し立てしてるヤツラは、けっこうよく分かる。

いまになって気がついた。職業柄もあってのだからこそ、震災のあとしばらく、なんとなく釈然としない鬱的な落ち込みがあったのだろう。自分の身近であった阪神淡路のときにも感じなかった気分の悪さは、地震と津波の激しさによるものではなく、おそらく原発トラブルのためだ。

ずーーーっと昔、私がまだちょっと左寄りだったころ、原発反対と表明したら、先輩から「原発なしてどうやって日本の電力をまかなうのだ」となじられた。いまになって考えると、そのころに本気に原発以外の電力供給を考えていれば、いま、ちょっと違っていたかもしれない。そんな歴史の修正をしてみたいものだ(JINの見過ぎかなあ)。

で、だ。

いまの福島県やその周囲に、私の20年前があったら…。私自身はただちに疎開というか、転居していただろう。しかし、そう言ったらパートナーから「子どもは友だちと別れたくないと言われるにちがいないけど、どうする?」と指弾された。

自分はいいけど子ども達は…という気持ちなのに、その子ども達が離れたくないと言ったらどうしようと、いまや悩まなくてもいいのに、被災地の親御さんがたの気持ちに思いが馳せる。

なんか、ほんとに、いらいらする。
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